歯の詰め物がボロボロと口から出てきたらどうすれば良いのでしょうか。今日は、歯の詰め物が取れてしまった場合の対処法について、詳しくご紹介いたします。
歯の詰め物がボロボロと取れた時の緊急の対応
詰め物が取れて口からボロボロ出てきた場合、以下のような緊急の対応が推奨されます。
- 取れた詰め物を保管:まず、詰め物が取れたらそれを保存します。誤って飲み込まないように注意しましょう。
- 歯科医院に連絡:出来るだけ早く歯科医院に連絡します。詰め物が取れたことを報告し、診療の予約を取ります。痛みや不快感がある場合は、予約時に必ずそのことも伝えましょう。
- 痛みがある場合:詰め物が取れた部分に痛みがある場合、痛み止めの薬を使用しましょう。ただし、薬の効果は一時的なものですので、必ず治療を受けましょう。
- 口腔内を清潔にする:詰め物が取れた歯を清潔に保ちましょう。詰め物が取れた部分には食べかすが付きやすいため、細菌の繁殖を招く恐れがあります。
詰め物だと思っていたら、歯の一部が欠けたというケースもありますので、ご自身で判断できない場合は、持参しましょう。
参照先:NHS
歯の詰め物が必要な治療とは
歯科医院で治療を希望されるときはどのような状態でしょうか。一般的に自覚症状(痛み・腫れ・変色)など歯に異常が見られた段階で、通院をされる方が大変多いです。定期的にクリーニングやメンテナンスを受診していれば、虫歯や歯周病が初期の段階で歯科医師が気づくため、早く処置を行ってもらえます。
詰め物?被せ物?虫歯の大きさが重要
詰め物と被せ物になる差はどこなんだろうと思うことはありませんか。大まかに言うと、詰め物は小さな虫歯、被せ物は大きな虫歯に適応します。下記でむし歯が悪化する流れをご説明します。
CO:歯に白濁した部分がある
初期むし歯(CO)は経過観察で治すことが可能です。食後に歯磨きをきちんと行い、就寝前にはデンタルフロスやタフトブラシなどを併用すると、エナメル質が溶けた歯は、フッ素や歯磨きにより再石灰化し、きれいな白い歯に修復します。
C1:歯のエナメル質に小さな穴があいている虫歯
初期むし歯が修復しないC1と呼ばれる状態は、歯の表面にあるエナメル質のみむし歯菌に侵食された段階です。小さい穴が開いていますが、痛みや腫れなどの自覚はなく、食事の際に食べ物が詰まりやすくなっていることが多いです。この段階では虫歯菌の進行した部分を歯科医師がしっかり削って、歯科用プラスチックであるレジンで埋め、光を照射すれば固くなります。
C2:歯の象牙質にまで穴があいた虫歯
虫歯菌がエナメル質の内部にある象牙質にまで進行してしまった状態です。象牙質にまで穴があいているので、甘いものや冷たいものが染みやすく、自覚症状が起きるのもC2の段階です。歯科医が汚染部分を除去した後、広い範囲でなければ、レジンを詰めて光を照射する治療を行いますが、奥歯や複数の歯に及ぶ虫歯ならば詰め物(インレー)での修復が必要となります。
C3:歯の神経まで達している虫歯
虫歯菌が歯の神経部分(歯髄)にまで達している状態です。このケースは、神経に達しているため痛みや腫れがある状態です。歯髄が死んでいる場合は抜髄を行い、根管治療が必要となります。歯髄が存在していた穴から細菌を除去し、きちんと消毒したうえで、歯の内部に薬剤を充填し、歯にクラウン(被せ物)をかぶせる治療を行います。
C4:歯を支える骨まで影響している虫歯
歯周組織に進行し、膿や口臭が出ていて、歯を支える骨(歯槽骨)が痩せてしまっているため、歯がグラグラして抜けてしまう状態です。この場合はクラウンも適応できず、義歯治療(インプラント・入れ歯・ブリッジ)などの処置が必要になります。
歯の詰め物がボロボロと外れたに関するQ&A
歯の詰め物がボロボロと外れた場合、再度接着することはできません。早めに歯科医院に持参し、適切な処置を受けましょう。詰め物が取れた歯は割れることもあり、菌が入り込んで二次虫歯が起こる可能性もあるため早めの対処が重要です。
取れた詰め物は再利用されることはあまり多くありません。新しい詰め物は、再度歯の型とりをして歯にピッタリ合うよう適切に作られます。
詰め物が取れる原因はいくつか考えられます。例えば、詰め物が古くなって劣化したり、周囲の歯の状態が変化してフィットしなくなったりすることがあります。また、噛む力や歯ぎしりなどの習慣によって詰め物が割れることもあります。定期的な歯科検診を受けることで、詰め物の状態を確認し、早期に対応することが大切です。
まとめ
詰め物が取れて口からボロボロ出てきた場合は、取れたものを保管するとともに、直ぐに歯科医院への予約を入れましょう。詰め物が取れて違和感やしみてしまうなどの症状がある場合は、なるべく早くクリニックへ連絡しましょう。歯の詰め物がボロボロと取れても、ご自分でボンドなどで接着することはリスクが高いため、行ってはなりません。あなたの歯の状態に合わせた治療を行ってもらうことが大切です。