虫歯になりやすい子供とは、どんな原因でなりやすいのでしょうか。虫歯になりやすい子供の理由や対処法についてご説明します。
虫歯になりやすい子供の特徴は?
通常、口腔内は中性に保たれています。ただ、食事で食べ物を食べたり、飲み物を飲むとお口の中が酸性になり、むし歯ができやすいお口の状態になります。そして、虫歯になる歯が乳歯か永久歯かは、年齢によっても異なります。一般的に虫歯になりやすい子どもの特徴として、下記の生活習慣を行っている子どもが虫歯になりやすいと考えられます。
赤ちゃんの場合は親から感染する
赤ちゃんは、虫歯菌を持たずに生まれてきます。虫歯になりやすいご家庭の赤ちゃんは、スキンシップの際に虫歯菌がうつってしまいます。妊婦の方はご自分が虫歯にならないよう対策をし、虫歯を早く対処すれば、赤ちゃんの歯の健康に繋がります。生まれた赤ちゃんには感染を防ぐためにも、保護者の唾液が赤ちゃんのお口に入らないようにしましょう。
- 同じ食器は使わない
- うがいする際は違うコップで行う
- 1歳半から2歳半までは乳歯の奥歯が生えます
- 5歳半から6歳までは6歳臼歯が生えます
- 11歳から13歳までは12歳臼歯が生えます
いずれの期間も感染の窓が開く時期です。すなわち虫歯になりやすいリスクが高い時期なので、大人がよりチェックしてあげましょう。
歯磨きがきちんとできていない
正しく歯みがきを行えているなら、食べかすや歯垢(プラーク)を除去でき、お口は清潔に保たれています。虫歯の原因であるミュータンス菌が食べかすを元に歯垢を生成して酸を排出することもありません。歯磨きの習慣をしっかりつけることが大切です。
ただ、お子様の場合は、手が小さく歯ブラシをきちんと動かすことが難しいです。そのため、正しく磨く方法があまりできません。一方、保護者の方も仕上げ磨きに慣れないため、しっかり歯の裏側まで磨けていないケースもあります。
子供の歯と呼ばれる乳歯は、永久歯の半分ほどしかエナメル質がありません。大人の歯と比べると歯全体に神経があるため、穴があると神経の近くまで進行するのが大人よりも早く、あっという間に重症化します。
- 嫌がるお子さんに長時間仕上げ磨きを行わないようにする
- 歯茎や筋の部分に歯ブラシを当てて痛みを感じさせない
このような点に注意しながら、虫歯予防のための歯みがきを行いましょう。また、お子さんの年齢が上がると、なんでも一人でやろうとしますが、仕上げ磨きをやめてはいけません。できれば、10歳くらいまでは保護者の方が仕上げ磨きを行うことが大切です。
おやつをだらだら食べる
時間を決めて、おやつを食べることは構いません。子供は一回の食事で多くご飯を食べることができないので、栄養面から考えてもおやつを与えることは必要です。ただし、長い時間かけて、おやつをダラダラ食べは良くありません。食生活からきちんと整え、改善しましょう。
そして、おやつの種類も問題です。長い時間食べ続ける甘い飴やチューイングキャンディなどは、砂糖が多く含まれており、お口の状態を酸性に傾かせて、むし歯のリスクが高まります。初期むし歯の場合、唾液による自浄作用や再石灰化も期待できません。
決められた時間に、おにぎり、果物、イモ類などの、入っている糖分が少ないおやつを一定量だけ食べるのが良いです。食べた後は歯磨きを忘れないようにしましょう。
子供の歯は虫歯でも生え変わるから放置してOK?
乳歯はどうせ永久歯に生え変わるから、乳歯の治療を放置しても問題ないと思われるかもしれません。ただ、子供の歯が虫歯になると、永久歯の歯並びに影響を及ぼします。
- すでにあごの下で成長している永久歯が生えてこられない
- 永久歯が正しい位置ではなく変なスペースに出ることになる
歯並びが悪い場合は、以下のようなトラブルが起きる可能性があります。
- ご自身のオーラルケアで清潔な歯列を保つことが難しい
- 不正咬合で噛み合わせが悪く、顎関節症を引きおこす
- 口腔内に細菌が多いため、むし歯や歯周病で歯を失ってしまいやすくなる
正しく永久歯が生えるためにも、乳歯の虫歯は放置してはいけません。必ずクリニックで歯科医師の処置を受けましょう。
虫歯になりやすい子供への対処に関するQ&A
虫歯になりやすい子供の特徴は、以下の生活習慣を行っている子供です。赤ちゃんの場合は親から感染する可能性もあります。
歯磨きがきちんとできない子供への対処法は以下の通りです。
・嫌がるお子さんに長時間の仕上げ磨きを行わないようにする。
・歯茎や筋の部分に歯ブラシを当てて痛みを感じさせないように注意する。
・保護者も仕上げ磨きに慣れるよう努め、歯の裏側まで磨けるようにする。
子供のおやつに注意すべき点は以下の通りです。
・長時間かけておやつを食べ続けないようにする。
・砂糖の多い甘い飴やチューイングキャンディなどは避ける。
・決められた時間に、糖分が少ないおやつ(おにぎり、果物、イモ類など)を適量与える。
・おやつの後は必ず歯磨きをする。
まとめ
歯が痛くなってから歯科へ通院するのではなく、予防歯科の観点から、普段から定期健診のために歯医者へ通う習慣をつけ、歯を健康に保つことが大事です。子供の場合は、フッ素塗布を行うことで歯質を強くしたり、奥歯にシーラントを行うことで歯の溝を埋めて歯の汚れが付かないような処置を行えます。虫歯がないか調べるためにも、定期的にお子さんと一緒に通院すると、虫歯が小さいうちに治療出来ますので、結果的にご自身の歯で長く噛めることにつながります。歯磨き指導をご希望の方はドクターかスタッフへ、お気軽にご相談ください。