子供の歯が永久歯に生え変わる際に、歯の先端がギザギザになっている場合があります。子供の歯がなぜ永久歯に生え変わるとギザギザするのか、年齢によっては歯の先端のギザギザを注意する必要がある理由などをご説明します。
生え変わった歯の先端がギザギザになっている理由
乳歯が抜けて永久歯が生えるタイミングには個人差がありますが、6歳前後というお子様が多いです。最初に生える部分は下顎の正面の歯です。生えてきた永久歯をよく見てみると、歯の先端がギザギザと波打っていて、切縁結節(せつえんけっせつ)と呼ぶ状態ですが、生えてきたばかりの永久歯の先端のギザギザは特に問題がありません。
なぜギザギザの歯が生える?
お口の中で露出する歯の白い部分を歯冠(しかん)と呼びます。歯冠は発育葉(はついくよう)と呼ばれるものが三つくっつき形成され、生えてきます。そのため、歯の先端がギザギザになります。毎日食事で正常な咬合をしていると、歯の切縁結節はなくなり先端が平らになります。
大人でも歯がギザギザしている方は要注意
生えかわりから3年経っても歯の先端がギザギザしていたり、大人になっても切縁結節である方は注意が必要です。下記のいずれかに該当するかもしれません。
- 歯を外傷によりぶつけてしまった
- スポーツドリンクやワインなどの摂取過多で、酸蝕症(さんしょくしょう)になった
- 歯ぎしりや食いしばりの癖がある
- 加齢による歯質のもろさがある
- 出っ歯(上顎前突)・受け口(反対咬合)・お口が閉じられない(開咬)など歯並びに問題がある
前歯がギザギザしている大人の方への対処法
前歯のギザギザは、審美的に気になる方も多いです。上記の原因で切縁結節の歯があるという方について対処法をご案内します。
コンタクトスポーツ時にマウスピースを装着
外傷や事故は防ぎようがありませんが、歯に過度な力がかかる可能性のある方は注意が必要です。特に、部活動で人とぶつかりやすいコンタクトスポーツをされているならば、歯医者さんに相談してマウスガードを作製しましょう。スポーツの間だけ装着し、歯を守ることも大切です。
酸性の食べ物を摂取しすぎないように注意
酸性の食べ物を全く摂取しないとするのではなく、過度の摂取をしないように気を付けましょう。食べ物や飲み物の酸の度合いを覚えておいたり、清涼飲料水をお茶や水に変えて飲むなどすると良いでしょう。
歯ぎしりや食いしばり用のマウスピースを装着
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、寝ている間に数十kgの力が歯にかかることがあります。かちかち歯の先端を合わせると歯を含めた歯周組織は摩耗し、顎関節にも大きな負担がかかった状態となります。保険治療内で作製できるナイトガードを装着すれば顎関節と歯を守ることが可能です。
噛み合わせを正しく改善
歯並びの問題を不正咬合と呼びますが、上下の前歯の噛み合わせが合わないと噛むことで平らにならず、切縁結節のギザギザした歯のままになります。歯並びの問題が原因の噛み合わせの悪さについては、矯正歯科のカウンセリングで相談しましょう。歯列矯正で歯の機能改善を行うと、正しい噛み合わせになり、歯磨きもしやすく、ご自身の歯を長く保つことにつながります。
歯がギザギザになる理由に関するQ&A
子供の生え変わった永久歯の先端がギザギザしているのは、歯冠の発育葉が三つくっついて形成されるためです。このため、歯の先端にギザギザが現れますが、咬合によって摩耗され、次第に平らになっていきます。
大人でギザギザの歯が残る原因は、以下のいくつかの要因が考えられます。歯の外傷、酸蝕症、歯ぎしりや食いしばりの癖、加齢による歯質のもろさ、歯並びの問題などが考えられます。
前歯の先端ががギザギザになっている大人のための対処法は以下の通りです。
1.コンタクトスポーツ時にマウスピースを装着することで歯を保護します。
2.酸性の食べ物を摂取しすぎないように注意し、清涼飲料水を避けるか減らすことが大切です。
3.歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、夜間に専用のマウスピースを装着すれば歯の摩耗を守ることができます。
4.正しい噛み合わせに改善するためには、歯列矯正の治療を受けるという方法があります。
まとめ
歯の先端がギザギザになっているのを気にする方も多いです。しかし歯の先端部分だけ削るという治療はできません。ギザギザの部分を削って平らにするのは、歯の知覚過敏のリスクが上がり、しみや痛みの原因になり、歯の健康寿命の点から考えてもおすすめはできないです。