前歯に入れ歯を入れると違和感によって出っ歯になったような感じがする患者様がおられます。なぜそのような問題が起きるのかご説明します。
目次
入れ歯などの義歯治療の必要性
入れ歯とは、歯を失った部分に行う義歯治療です。義歯治療が必要とされる理由として以下のことが挙げられます。
- 食べ物をお口の中に入れた時に噛みづらい
- 上下の歯の噛み合わせが悪くなる
- 片側噛みや顎をずらして噛むため、特定の歯に負担がかかる
- 噛む刺激が脳へ伝達しないため、欠損した部分を支えているあごの骨がやせてしまう
- あごの骨が痩せることで他の歯がぐらぐら不安定な状態になる
- 健康だった歯が抜けてしまうトラブルが起きる
入れ歯の治療のメリット・デメリット
前歯の位置に欠損があり入れ歯を治療法として選択された場合のメリット・デメリットは下記のとおりです。
- 治療期間がインプラントと比べて短い
- 保険適用内の入れ歯であれば自己負担額が少ない
- 保険適用外の自費治療ならば精密な入れ歯を作製することが可能
- 装着すると違和感や歯の痛みを感じることがある
- 人と会話がしにくい
- 噛み心地はインプラントと比較して弱い
- 安定感はインプラントや自費の入れ歯に比べて劣る
前歯の入れ歯で出っ歯になったような違和感を感じる原因とは
前歯に入れ歯を入れると出っ歯になったような違和感を感じる可能性として考えられる原因は幾つかあります。
- 入れ歯のサイズが合っていない
- 入れ歯を装着した時の歯並びがおかしい
- 他の原因による違和感がお口の中にある
前歯の入れ歯のせいで出っ歯になったような感覚がする理由は、実際に診療してみないことにはわかりません。そのため、違和感が消えないようでしたら、歯科医院にご相談ください。
入れ歯で顔の印象を変わる場合があります
「入れ歯を入れたら急に口元が老けた」
「入れ歯が前に出た感じがして、鼻の下のふくらみが気になる」
「入れ歯で唇が閉じにくい」
「入れ歯をつけていると口臭が気になる」
入れ歯を入れることで以上のようなお悩みが生じることがあります。ご自分のお口の形に会った入れ歯や歯の高さに合った入れ歯を作製することで、ある程度は上記のお悩みが低減される場合がありますので、入れ歯が合っていないと感じる場合は歯科医院にご相談ください。
また、違和感に関しては、少しずつ慣れて気にならなくなる方がおられる一方で、どうしても慣れられないとおっしゃる方もおられます。自費診療の入れ歯であれば、違和感の程度が少し軽くなる場合もありますので、違和感を軽くする方法についても歯科医師にお尋ねください。
自費診療の入れ歯の種類について
入れ歯には様々な種類があります。保険診療の入れ歯に比べて自費診療の入れ歯は違和感が軽減されるような工夫がされているものがありますので、ご紹介します。
● ノンクラスプデンチャー
バネのない入れ歯で、特殊なナイロンの樹脂より作製された入れ歯で吸水性がない。強度を高めるために裏側に金属を入れると、更に安定した入れ歯になる
● マグネットデンチャー
歯根にキーパーという磁石を入れ、入れ歯に磁性体を取り付けて磁石の力で固定するため、ばねがいらない。歯がない総入れ歯の方には、インプラントを埋入して行うことも可能である
● 金属床義歯
金属（コバルト・チタン）を使用するためたわみがなく、ばねのかかる歯への負担が保険適用の入れ歯に比べて少ない。薄く作製したり、食べ物の温度を感じることができる。
● ロケーター義歯
インプラントを埋入して、入れ歯と歯ぐきをロケーターという留め具で固定する総入れ歯の方に向く。噛む力が強く、インプラント治療をすべての歯で行うより料金が安くなるのが特徴である。
● シリコーン義歯（当院では取り扱いしておりません）
シリコーンのクッション性により噛んだ時に痛みがある場合、軽減される。
前歯に入れ歯をすると出っ歯になったような感じがする理由に関するQ&A
入れ歯を使用すると出っ歯になったような感じがする理由としては、入れ歯の違和感によって感覚的に出っ歯になったように感じる者、入れ歯のサイズが合っていないため、上下の歯の噛み合わせが悪くなり、出っ歯のような印象を与える、入れ歯を装着した際に、他の原因による違和感が口内に存在している場合も考えられます。
入れ歯治療の必要性としては、まず、歯を失った部分に入れ歯を使用しないと、食べ物を噛む際に噛みづらくなったり、噛む刺激が脳に伝わらないためにあごの骨がやせてしまったりする可能性があります。また、健康な歯が抜けてしまうトラブルが起きたり、噛み合わせが悪くなることもあります。
入れ歯を使用することで、口元の印象や顔の形に変化が生じる場合があります。具体的には、入れ歯を入れたことで口元が老けたように見えたり、入れ歯が前に出た感じがして鼻の下のふくらみが気になったりすることがあります。また、入れ歯の装着によって唇が閉じにくくなったり口臭が気になったりすることもあります。
まとめ
前歯の入れ歯を入れると違和感によって出っ歯になったような感覚がするケースがあります。お口に入れ歯がフィットしていれば違和感は少ないものの、どうしても違和感に慣れられない方もおられます。入れ歯にも違和感の少ない種類の入れ歯がありますので、一度歯科医院にご相談下さい。場合によっては、入れ歯以外の治療法をご提案することもあります。
