歯のエナメル質はモース硬度7という強度を持っており人体の中で一番硬い組織です。しかし硬いものばかり好んで食べていると、歯を傷めてしまうことがあります。歯を傷める硬い食べ物についてご説明します。
目次
歯を傷める硬い食品
一般的に虫歯に悪い食品はお酢やかんきつ類などの酸性の食品と、キャラメル、チョコレートなどの粘度の高い甘い食品です。
もう一つ、歯のエナメル質を削ったり歯が欠けたり、歯に悪い影響を与える食品は、お煎餅や煎った豆類、スルメなどの硬い食品です。虫歯や歯周病で歯にダメージがあるなら猶更、これらの食品は避けるべきです。
氷をかじっても歯は大丈夫?
氷を口に含むと癖で噛んでしまう場合、歯のエナメル質が擦り減ったり、歯にヒビが入ることもあります。ヒビが大きくなって歯の根の部分が割れてしまうと抜歯しなければなりません。
そのため、氷は出来るだけ噛まずに口の中に含んでゆっくりと溶かしましょう。
飴を噛んで割ったら歯に悪い?
飴も氷と同じく、無意識のうちに噛んでしまう方がおられます。
飴を噛んでしまうのはせっかちやストレスのせいだともいわれますが、単なる癖という場合もあります。
飴は噛むと歯を傷めたり割れたりするリスクがありますが、それ以外に、口に含んでいると口内に糖分がある状態が長くなりますので、虫歯になりやすくなります。
モース硬度とは?
モース硬度は好物の固さを測るためのもので、10段階で好物の硬さを決めています。それぞれの段階の基準となる鉱物を標準鉱物と呼びます。
- モース硬度1.滑石・・最も軟らかい鉱物で、つるつるした手触り。爪でたやすく傷をつけられる。
- モース硬度2.石膏・・指の爪で何とか傷をつけることができる。
- モース硬度3.方解石・・硬貨でこするとなんとか傷をつけることができる。
- モース硬度4.蛍石・・ナイフの刃で簡単に傷をつけることができる。
- モース硬度5.燐灰石・・ナイフでなんとか傷をつけることができる。
- モース硬度6.正長石・・ナイフで傷をつけることができず、刃が傷む。
- モース硬度7.石英・・ガラスや鋼鉄などに傷をつけることができる。
- モース硬度8.トパーズ(黄玉)・・石英に傷をつけることができる。
- モース硬度9.コランダム(鋼玉)・・石英にもトパーズにも傷をつけることができる。
- モース硬度10.ダイヤモンド(金剛石)・・地球上の鉱物の中で最も硬く、コランダムにも傷をつけることができる。
歯のエナメル質のモース硬度は7で、かなり硬い物質といえます。
硬いものを噛んで歯が欠けたらどうする?
奥歯が欠けた
歯が欠けた場合は、奥歯の場合は詰め物・被せ物で治療します。前歯の場合はレジン修復(自費診療)を行います。
前歯が欠けた
前歯が小さく欠けた場合は、レジン充填と呼ばれるプラスチックの白い詰め物で詰める処置をして、保険治療で治すことができます。
前歯の欠けが中くらいの場合は、自費診療のレジン充填か、もしくは歯を削ってセラミックを被せます。
大きく欠けた場合は、神経を残せる場合は歯を削って型取りをし、セラミックを被せます。神経を残せない場合は、神経を抜く根管治療が必要になり、その後型取りをしてセラミックの被せ物を被せます。
硬いものを噛んで歯が割れたらどうする?
歯の割れの場所によって、歯冠破折と歯根破折に分けられます。
- 歯冠破折・・歯茎から上に見えている歯が割れてしまった。神経を抜く治療をして、歯型を取り、被せ物を被せます。
- 歯根破折・・歯の根が割れてしまった。抜歯になる可能性が高いです。
硬い食べ物は歯に悪いに関するQ&A
硬い食べ物は、歯のエナメル質を削ったり欠けたりする可能性があります。特に虫歯や歯周病がある場合、これらの食品はさらに歯にダメージを与える可能性があります。
奥歯が欠けた場合、詰め物や被せ物の治療が行われます。前歯の場合はレジン充填と呼ばれる白い詰め物が使用され、奥歯の場合は保険治療による詰め物や被せ物が行われることが一般的です。
歯の割れ方によって、歯冠破折と歯根破折に分けられます。歯冠破折の場合は、神経を抜く治療が行われ、被せ物が被せられます。歯根破折の場合は、抜歯が必要となることが多いです。
まとめ
硬い食べ物以外に、就寝時の歯ぎしり、食いしばりも歯にかなりの負担がかかり、歯が割れたり欠けたりすることがあります。硬い食べ物でも好きなものを自由に食べられるように、歯の健康管理を日頃から十分に行いましょう。