歯医者で撮るレントゲン撮影(デンタルエックス線撮影)によって、どんなことがわかるのでしょうか?どんな風に見えるのか、歯科レントゲン撮影を受ける時の注意点などについてご説明します。
目次
歯科で行うレントゲン撮影の種類
歯の治療で歯科医院に行くと、レントゲン撮影をすることがあります。歯科でのレントゲン撮影は、フィルムをお口の中に入れて撮影する口内法とフィルムをお口の中に入れない口外法の2種類があります。
口内法
口内法では小さな部分的な撮影を行います。フィルムも小さく、歯が3本程度撮影できます。X線はお口の中のフィルムに向けて外から照射し、限られた部分の虫歯や歯根や骨の状態を確認するために撮影します。インプラントの埋入直後にインプラント体と骨の状態を確認するためにも使われます。
口外法
口外法ではパノラマX線撮影方法で、歯列全体と周囲の骨を撮影します。歯の治療のために歯科医院を訪れた時に最初に撮るレントゲンは、パノラマX線撮影です
その他のレントゲン撮影
外科手術を伴う矯正治療や顎関節の治療では頭部エックス線規格撮影法、顎関節投影法等が使われます。インプラント治療においては歯科用CTで撮影を行います。
歯科レントゲンでは何色に映る?
レントゲン写真では硬いところは白く、柔らかいところは黒く映ります。 例えば金属の詰め物は真っ白い塊に映りますし、虫歯は黒く映りますので、それをもとに診断します。レントゲンで見ると虫歯を削った後に土台にお薬を入れた場合も黒く映ります。
歯科レントゲンで白く映るものは?
レントゲンでは、以下のようなものが白く映ります。
- 歯
- 骨
- 歯石
- 薬剤や金属などの人工物(真っ白に映る)
歯科レントゲンで黒く映るものは?
レントゲンでは、以下のようなものが黒く映ります。
- むし歯
- 歯根のひび
歯科レントゲンで病気の進行具合がわかる
レントゲン(エックス線)は歯や歯茎の内部まで見ることが出来ますので、虫歯などの病気の発見に役立ちます。実際にお口の中を目で見てわかる部分だけでなく、歯の根や神経の状態までも詳しく知ることが出来ます。
歯は1本1本が独立していますが、お互いに押し合いながら歯列を作っています。レントゲンでは病巣部分だけでなく、周囲の歯の状態も見ることが出来るため、的確な治療計画を立てることが可能になります。
歯根のヒビや割れ、歯茎の深い部分の歯石の有無など、肉眼で見えない部分もレントゲンならはっきりと細部まで写し出すことが出来ます。病気を早期発見出来るかどうかで、その後の治療内容や歯の寿命が変わるため、エックス線検査は歯科治療に大変役立っています。
歯科レントゲン撮影の時の注意点
- 装置の種類によって立位または座位で行います。
- 撮影は2~3分で終了します。
- 首から上の部分の金属性のものは外していただきます。眼鏡、入れ歯、補聴器、ネックレス、イヤリング、ピアス、ヘアピン、金属の付いたヘアゴムなどです。
- レントゲンの撮影中はお口を動かさないようにじっとしているようにお願いします。呼吸を止める必要はありませんので、自然呼吸でリラックスしていてください。
妊娠中に歯科レントゲンを撮っても大丈夫?
歯科レントゲンは極めて線量が少ないため、妊娠中の女性でも検査を受けることが可能です。撮影部位はお口ですし、撮影時には防護用のエプロンを着用していただきますので、お腹の赤ちゃんへの影響はほとんどありません。
妊婦さんが歯科健診を受ける場合は、妊娠中期頃の安定期に受けて頂くと、比較的楽にお受けいただけると思います。ご予約の際に妊娠中であることをおっしゃって下さいね。
妊娠初期や妊娠後期でも受診は出来ますが、つわりで気分がすぐれなかったり、臨月が近くてお腹が大きくなって苦しいなどの、妊婦さんならではの症状があるかもしれません。ご予約の時や来院された時に、体調についてスタッフに教えてくださいね。
歯のレントゲンに関するQ&A
レントゲンを受ける時はピアス、ネックレス、ヘアピン、飾血の付いたヘアゴム、入れ歯等は外しましょう。つけたままでレントゲン撮影すると、レントゲンに映ってしまい、正確な診断を妨げる場合があります。
まとめ
近年ではデジタルレントゲンが使われるようになり、レントゲン撮影後すぐにデータを取り込むことが出来ますので、診療チェアで患者さんにモニタ画面でレントゲン画像を見ていただきながら虫歯等について歯科医師がご説明するのが普通になりました。これによって患者さんもご自身の歯の状態を目で見て把握し、より深く理解できるようになり、より満足して頂ける治療に繋がることと思います。