歯から年齢を推定することは、歯の専門家が見ればある程度可能です。特に0才から25才くらいまでの間の予想に関しては、かなりの精度があります。
年齢による歯の特徴
乳歯の特徴
乳歯は一般的に生後6ヶ月頃から少しずつ生え始めます。そして2才2.5才くらいで20本全ての乳歯が生え揃います。
6才くらいまでの間は、20本の乳歯が生えている状態で過ごします。そして6才頃になると一番奥の乳歯(第2乳臼歯)の奥に永久歯の奥歯である第1大臼歯が生えてきます。
第1大臼歯が生えたあとは、乳歯から永久歯への生え変わりが起こります。生え変わる順番は前歯が最初に生え変わり、徐々に後ろの歯へと生え変わっていきます。
12才頃になると上下の顎の中切歯から第2大臼歯までの28本がほぼ生え揃います。
乳歯と永久歯が混在する混合歯列期の特徴
6才から12才までは歯の生え変わり時期で、お口の中に乳歯と永久歯が混在しており、混合歯列期と呼ばれます。
12才から18才までの口腔内には28本の永久歯があり、その後18才~24才位に第3大臼歯(親知らず)が生えてきます。親知らずは生えてくる人と生えてこない人がいます。
25才以降の大人の歯の特徴
25才以降の方の年齢の推定は、歯がどの程度擦り減っているか、治療痕の場所や数、虫歯や歯周病にかかっているか、既に失った歯があるか、などの状態を注意深く見ながら、年齢を推定します。
0才~25才くらいまでは、年齢によって歯に様々な特徴があるため1~2才刻みの間隔で細かな推定が出来ますが、40才以上では推定年齢にプラスマイナス5年位の幅が生じるのが普通です。
それ以上の年令になると、口腔内の状態には個人差が大きく表れるため、10年位の幅となります。
歯からわかる様々なこと
私たちの歯からデータを集めることで、生活習慣や虫歯や歯周病にかかっているか、などがわかります。
皆さんもご存じのように、子供時代から大人にかけては乳歯から永久歯への生え変わりや、親知らずが生えることもあり、その年齢的な時期はだいたい決まっています。永久歯に生え変わってからは歯の擦り減り具合によっても、ある程度の年齢が推測出来ます。
例えば、遺跡の中から発見された人骨の歯を調べると、その遺跡の年代の食生活も考慮して、ある程度の死亡年齢を推定していきます。
親知らずから年齢がある程度わかる
親知らずが生えている方は、親知らずの状態によってある程度の年齢の推定が可能です。
親知らずは最も遅く生えてきますので、擦り減り具合が激しいと、親知らずが生えてからかなりの年数が経っていることがわかります。つまり、30才以降のかなり長い年月にわたって親知らずで食べ物を噛んできたことがわかり、50~60才以上と推定されます。
歯から推測される年齢よりも実年齢が若い場合もある
噛み合わせの深い人や歯ぎしりの強い人は、歯が同じ年代の人よりも擦り減っているため、歯の状態から推定される年齢よりも、実際の年齢は若いということもあります。
また、とにかく硬いものが好きで、氷をかじったり、ナッツなどの硬い物を良く食べていたり、するめなどの良く噛まなければいけない食品を好んで食べる場合も、同年代の平均的な人よりも歯が擦り減ってしまいます。
このように、歯の状態からわかる推定年齢は、食習慣にも左右されます。
歯からわかるおおよその年齢に関するQ&A
歯から推測される年齢は、擦り減り具合や治療痕の有無、虫歯や歯周病の有無、失った歯の数などの状態によって影響を受けます。また、食習慣や噛み合わせの深さ、歯ぎしりの有無なども年齢推定に関与します。
親知らずの状態から推定される年齢は、親知らずの擦り減り具合によって大まかな推定が可能です。親知らずが擦り減っているほど、その人が長い期間親知らずで食べ物を噛んできたことが示唆され、年齢を推測することができます。
歯の噛み合わせが深い人や歯ぎしりの強い人は、歯が同じ年齢の人よりも早く擦り減ることがあります。そのため、歯の状態から推定される年齢よりも実際の年齢は若くなることがあります。
まとめ
歯の状態から様々な情報を得ることで、年齢を推定することが出来ます。歯の生えている状態や擦り減り方をみるだけでなく、レントゲンやCTを併用すれば歯を支える歯槽骨の量や質、歯の神経の太さなど、様々なデータから年齢の推定が可能です。