歯と口のトラブル

歯がしみる知覚過敏を治す方法とは?

歯がしみる知覚過敏を治す方法とは?

知覚過敏になると、冷たい飲み物や甘いものを口にするだけで歯がしみることがあります。この症状は、歯のエナメル質が薄くなり、象牙質が露出することで発生します。知覚過敏を軽減するためのセルフケア方法と、症状が重い場合に行う歯科医院での治療法についてご説明します。

知覚過敏のセルフケア方法

歯磨き

知覚過敏の症状を軽減するためのセルフケア方法をまずご紹介します。

1. 歯磨きの方法

知覚過敏を和らげるためには、歯磨き方法が非常に重要です。以下の点に注意して行いましょう。

  • やさしく磨く・・硬い歯ブラシや力強いブラッシングは、歯肉やエナメル質を傷つけ、知覚過敏を悪化させることがあります。柔らかい歯ブラシを使い、やさしく磨くようにしましょう。
  • 適切な時間・・2分程度の歯磨きを心がけ、歯と歯茎の境目を丁寧に磨きましょう。
  • フッ素配合の歯磨き粉・・フッ素が含まれた歯磨き粉を使うことで、エナメル質を強化し、知覚過敏を軽減することができます。

2. 知覚過敏専用の歯磨き粉の使用

市販されている知覚過敏専用の歯磨き粉には、神経の過敏性を抑える成分が含まれています。これらの歯磨き粉を使用することで、知覚過敏の症状を和らげることができます。

3. 食生活の改善

知覚過敏の原因となる酸性食品や飲み物を避けることが重要です。以下の点に注意してください。

  • 酸性食品・飲料の制限・・柑橘類、炭酸飲料、酢の入った食品など、酸性の強い食品や飲み物は、歯のエナメル質を溶かす原因となります。これらを控えることで、知覚過敏の悪化を防ぎます。
  • 水のうがい・・酸性の飲み物を摂取した後は、水で口をすすいだり、水を飲むことで、口内の酸性度を中和することができます。

4. ナイトガードの使用

夜間の歯ぎしりや食いしばりが知覚過敏の原因となる場合、ナイトガードの使用が効果的です。ナイトガードは夜間だけ装着するマウスピースで、歯ぎしり・食いしばりから歯を守る役目をします。

知覚過敏はセルフケアでかなり軽減できることが多いです。毎日のケアをしっかりと行い、必要に応じて専門家に相談することで、知覚過敏の症状を緩和しましょう。

知覚過敏の歯磨き粉の選び方

歯磨き粉

知覚過敏専用の歯磨き粉を使用することも有効です。選ぶ際のポイントは以下の通りです。

痛みを防ぎたい人

知覚過敏によって歯がしみる痛みを防ぎたい人は、硝酸カリウムや乳酸アルミニウムが配合されている歯磨き粉がおすすめです。

硝酸カリウムは、歯の神経に伝わる刺激を抑制します。また乳酸アルミニウムには、象牙質の小さい穴に蓋をして神経を刺激しないようにする働きがあり、歯がしみるのを防ぐ効果が期待できます。

エナメル質が薄くなっている人

歯磨きを強い力で行っている場合、歯の表面のエナメル質が薄くなって知覚過敏が起こることがあります。そのような方は、フッ素(フッ化ナトリウム)配合の歯磨き粉がおすすめです。

フッ素には、削れて薄くなってしまったエナメル質を補修する作用があります。フッ素には酸で歯のエナメル質が溶け出すのを抑制する働きがあるため、象牙質の保護に繋がります。

歯科医院での知覚過敏の痛みに対する治療法

歯医者

知覚過敏が重度の場合やセルフケアで改善しない場合、歯科医の治療が必要です。以下は一般的な治療法です。

1. 高濃度のフッ素塗布

フッ素塗布は、知覚過敏の治療に広く使用されている方法です。高濃度のフッ素を歯の表面に塗布することで、エナメル質を強化し、歯の感度を低減します。

3~4ヶ月に1度のフッ素塗布を継続して受けていただくとより効果があります。

  • 方法・・歯科医が専用のフッ素ジェルやフッ素バーニッシュを歯に塗布します。
  • 効果・・エナメル質の再石灰化を促進し、象牙質の管を封鎖することで、外部からの刺激を遮断します。

2. 象牙質をコーティングする

露出した象牙質をレジン(歯科用プラスチック)でコーティングすることで、物理的に象牙質をカバーして、知覚過敏の痛みを緩和します。

  • 方法・・歯科医が象牙質の露出部分にコーティング材を塗布します。
  • 効果・・象牙質の中の象牙細管を物理的に封鎖し、外部の刺激から歯を保護します。

3. 詰め物・被せ物の装着

本来、詰め物・被せ物は虫歯で歯が損傷している場合の治療ですが、知覚過敏で強い痛みが続いている場合に、神経を抜いて痛みを感じなくして、詰め物・被せ物で治療を行う場合があります。

しかし、虫歯などで損傷した歯ではないのに神経を抜いたり歯を削ったりするわけですから、他の方法で痛みが止まらず、生活に支障が出るほどの痛みである場合に限ります。

  • 方法・・虫歯で損傷した部分を削り取り、被せ物や詰め物を装着します。
  • 効果・・エナメル質や象牙質を保護することで、知覚過敏の症状を軽減します。

原因別の治療法

知覚過敏が起こった原因にアプローチすることで、知覚過敏が悪化しないように治療します。

1. 歯ぎしりが原因の知覚過敏

歯ぎしりが原因で歯の一部がすり減って知覚過敏を起こしている場合は、「ナイトガード」というマウスピース型の器具を使って歯を保護します。

ナイトガードは歯を保護するためのもので、歯ぎしり自体を治すことは出来ませんが、ナイトガードをお口に装着して寝ることで、就寝中の歯ぎしりによって歯の表面(エナメル質)や歯の根元が削れるのを防ぎます。

2. 詰め物・被せ物が合っていない場合

歯の詰め物・被せ物の高さが合っていないために噛み合わせが悪くなり、一部の歯がすり減って知覚過敏を起こしている場合です。歯や詰め物・被せ物を削って噛み合わせを調整したり、詰め物、被せ物を新しく作り替えることもあります。

3. 歯周病の治療

歯周病の進行によって歯茎が下がって歯の象牙質が露出することも知覚過敏の大きな原因の一つです。その場合は歯周病治療を行い、歯周組織がこれ以上破壊されないようにしなければなりません。

日常生活での予防策

知覚過敏を予防するための生活習慣も重要です。

  • バランスの取れた食事・・酸性食品や飲料の摂取を控え、バランスの取れた食事を心がけましょう。
  • ストレス管理・・ストレスは歯ぎしりの原因となるため、リラックスする方法を見つけることが大切です。
  • 定期的な歯科健診・・早期発見と治療のために、定期的な歯科検診を受けることをお勧めします。

知覚過敏は日常生活に大きな影響を与える問題ですが、適切なセルフケアと専門的な治療を受けることで、症状を効果的に管理することが可能です。

まとめ

知覚過敏のセルフケアとしては、毛の柔らかいタイプの歯ブラシや知覚過敏用の歯磨き粉の使用が有効です。また、歯科医院では、高濃度フッ素塗布や象牙質コーティング、ナイトガードの使用などによる治療が行われます。

知覚過敏は治療と予防が可能な症状ですので、早めの対処が肝心です。適切な対応を行うことで、知覚過敏の不快な痛みを軽減することが出来ます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科豊中駅前アネックス・矯正歯科
院長 中西 洋介

2015年 昭和大学 歯学部卒業。日本口腔外科学会。日本有病者歯科医療学会。日本口腔内科学会。

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クローバー歯科豊中駅前アネックス