歯と口の基礎知識

歯は大切にと言われるのはなぜ?

歯は大切にと言われるのはなぜ?

歯を大切にするのは当たり前で深く考えたことが無い方もおられると思います。毎日の食事や人との会話において重要な役割を担っている歯は大切だと理解されているとは思いますが、歯の役割や歯を大切にするメリットについて詳しくご紹介いたします。

歯の大事な役割

人間は赤ちゃんの時に乳歯が生え、その後永久歯へと生え変わります。歯には主に、下記のような役割があります。

咀嚼の役割

前歯は食べ物をちぎる役割、奥歯で食べ物を細かく噛み砕く役割があります。小さく細かくなった食べ物を唾液と共に食道へ送り込んでいます。咀嚼により消化器官の吸収を助け、体内へ効率よく栄養を取り入れることができます。

言葉の発音

歯は発音においても重要な役割を果たしています。特定の音を発音するためには、できるだけ歯並びが整った健康な歯を保つことが必要です。

歯音(しおん)

舌が上顎の前歯の裏へ触れてできる発音です。サ行やザ行、ツなどの歯音は、前歯がないと発音ができません。

歯径音(しけいおん)

舌が歯茎に触れてできる発音です。タ行などは舌をしっかりと上顎の前歯の裏側につけないと発音ができません。

顔の印象の維持

歯を欠損した部分を放置すると、顎骨が痩せてしまったり、噛みづらいために片側噛みを続けてしまうと、頬の筋肉の量に左右差が生じます。そのため、顔の印象が変わるケースがあります。

8020運動という言葉をご存知でしょうか。80歳の時に自分自身の20本の歯を残そうと厚労省と歯科医師会により提唱されました。歯が無ければ義歯治療をしなければならず、満足に噛むことが出来なくなってしまいます。食事や会話を楽しめなくなるため、高齢期を健康に過ごすためには、天然歯を大切に残しましょうと言われています。

歯を大切にするメリット

では、歯を大切にケアするとどのようなメリットがあるでしょうか。

虫歯を予防できる

歯磨きやフロスをしっかり行うことで、虫歯の原因となるプラークの蓄積を防ぎます。

歯周病も予防できる

歯を支える組織が細菌感染で破壊される病気が歯周病で、日本人が最も多く歯を失う原因と言われています。定期的にプロのケア(メインテナンス)を受けていれば、予防が可能です。

第一印象が良い

海外では歯並びを含めてきれいな白い歯であることが第一印象においてとても重要です。日本でも予防歯科に通い、歯を健康な状態で保っていると、初対面の方でも口元を気にすることなく自分らしい笑顔を出すことができます。

全身の健康維持

お口の健康は全身の健康にも直結しています。例えば、歯周病は心臓病や糖尿病の全身の病気と関連していることが知られています

歯周病と糖尿病の関係

歯周病菌の排出する毒素が、血糖をコントロールするインスリンの働きを弱めたりします。

歯周病と心臓病の関係

歯周病菌が血管をめぐり心臓にたどり着くと、血管が炎症を起こして、動脈硬化が促進されます。心筋梗塞につながる可能性があります。

歯によって見えてくる幸福度

歯の健康は生活の質に大きな影響を与えます。

食事の楽しみ

健康な歯であれば、固い食べ物が出ても食事を十分に楽しむことができます。好きな食べ物を問題なく食べられるのは、生活の質を高める要素の一つです。

自信と社交性

歯の見た目が良いと自信を持って笑顔を見せられ、社交的な生活を送ることができます。

精神的な健康

歯の健康を保てれば、痛みや不快感から解放され、精神的にも安定した状態を保つことができます。

まとめ


歯を大切にすることは、私たちの健康と生活の質を守るために非常に重要です。正しいケア方法を実践し、定期的な歯科検診を受けることで、健康な歯を維持することができます。歯の健康を守るために、今日からできることを始めましょう。健康な歯で、より豊かな生活を送りましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科豊中駅前アネックス・矯正歯科
院長 中西 洋介

2015年 昭和大学 歯学部卒業。日本口腔外科学会。日本有病者歯科医療学会。日本口腔内科学会。

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クローバー歯科豊中駅前アネックス