ホワイトニングの危険性が気になり、歯科医院でホワイトニングを迷う方もおられるでしょう。ホワイトニングの種類や危険性、ホワイトニング以外で歯を白くする方法はないのか等ご紹介いたします。
ホワイトニングの種類
食べ物や飲み物の色素、タバコのヤニなどがお口の中に入ると、歯は着色汚れを起こします。歯の表面にある細かな傷に色が入ってしまえば、歯は茶色や黄色に変色します。黄ばみのある歯並びを白い歯並びへ戻したい方に、おすすめの治療として挙げられるのがホワイトニングです。ホワイトニングには、主に三つの種類があります。
- ホームホワイトニング
- オフィスホワイトニング(当院では扱っておりません)
- セルフホイトニング(当院では扱っておりません)
ホームホワイトニング
- 歯科医師の指示通りの量の薬剤ジェルをトレーに入れ、決められた時間のみご自宅で歯にトレーを装着し白くする方法
- トレーは歯医者さんで歯型を取り、患者さんの歯並びに合ったマウスピースを作製する
- 薬剤は過酸化尿素を主成分とした低濃度のものを使用する
- オフィスホワイトニングに比べて即効性は劣るが、効果が出てから歯を白く保つ時間は長い
オフィスホワイトニング(当院では扱っておりません)
- 歯科医院で歯の表面に薬剤を塗り、特殊な光を当てて漂白効果を促進させる方法
- 薬機法で定められた歯科医師か歯科衛生士しか施術ができない
- 35%以下の過酸化水素を主成分とした高濃度の薬剤を使用するため、効果をすぐに感じられる
- ホームホワイトニングに比べて歯科医院へ通院する必要があるため、料金が高い・通院が大変・白さを長持ちさせることができない
セルフホワイトニング(当院では扱っておりません)
- 資格をもつスタッフがいないネイルサロンや美容院などで行うセルフホワイトニング
- 歯の内部を漂白する作用はなく、表面に付着した汚れを落とすポリリン酸・酸化チタンを薬剤として使用する
- 薬剤を歯に塗布したり、唇の保護剤や器具の装着をご自身で行うため、費用は他の種類に比べて安い
- ホワイトニング剤の成分・成分が歯科医院処方のものより劣る・色ムラが起きる・口腔内で異常が起きた際誰も医療行為を行えないなど健康面に不安があり、安心して治療を行えない
ホワイトニングの危険性
ホワイトニングで起こる危険性やトラブルはどのようなものか、具体的にご説明します。
- 漂白剤がお口の中の粘膜や、歯茎に誤って付着し炎症を起こす
- ホワイトニングの施術後に歯の表面のバリア機能が低下し、知覚過敏の痛みが約2日程度生じる
ホームホワイトニングでより白い歯にしたいため、歯科医師から決められた時間以上に長く歯に装着する方がおられます。指示された量や時間を守らなければ、歯茎や粘膜が傷つき腫れなどの炎症を起こす可能性があり、歯にとってもダメージを受けることになります。
また、日本で販売していない海外の製品を個人輸入での使用もおすすめしません。特にFDA(アメリカ食品医薬品局)が定める製品でない場合、海外の市販品は日本と比べて高濃度であることが多く、厚生労働省が認可していない成分が混じる可能性があり、健康上のリスクも懸念されます。日本人は欧米の方に比べてエナメル質が薄い特徴があり、海外製品を使用すると、痛みが起こる可能性があります。
ホワイトニングができない人
詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)など人工の修復物にホワイトニングの効果は出ません。天然歯のみに作用を及ぼします。また、虫歯治療をしていなくても、下記の方はホワイトニングを安全に行うことができず注意が必要です。
永久歯が全部生えていない子供
歯の成長を妨げる可能性があるため、大人が使用するような薬剤でホワイトニングは行えません。
妊娠している・授乳中の人
胎児にどんな影響を及ぼすかわからないため、授乳が終わるまでやめておくに越したことはありません。
無カタラーゼ症の人
先天的な疾患で過酸化水素を分解できない体質のため、ホワイトニングで過酸化水素を歯に塗布すると体内に残留してしまい、進行性口腔壊死になってしまいます。
日光アレルギー(光線過敏症)の人
オフィスホワイトニング・セルフホワイトニングでは光の照射で薬剤に反応してもらおうとするため、やけどのような状態を起こします。
テトラサイクリン歯の人
歯の形成時期にテトラサイクリン系の抗生物質を服用してしまうと、歯の象牙質に着色を起こし、容易に白くすることはできません。また、白くしても後戻りが早いこともあり、ホワイトニングより他の方法で白くされることをおすすめします。
知覚過敏・歯が割れている・歯にヒビが入っている・むし歯・歯周病の人
いずれかの状態である場合、先に治療をすべて終わらせホワイトニングを行わないと、薬剤が入ってしみたり、痛む可能性があります。
ホワイトニングができないから歯を白くできないということではありません。患者さんの状態によっては、セラミックを使った治療法が可能です。ラミネートべニアというセラミックの薄い板を貼り付ける方法や、オールセラミックやジルコニアセラミックという歯を削ってセラミックの被せ物を被せる方法などです。セラミック治療が可能かどうかはお口を診察しなければわかりませんので、クリニックへ一度お気軽にご相談ください。
ホワイトニングの危険性に関するQ&A
ホワイトニングの危険性として、漂白剤が粘膜や歯茎に付着し炎症を引き起こす可能性があります。また、ホワイトニング後に歯の表面のバリア機能が低下し、知覚過敏の痛みが約2日程度生じることがあります。
ホワイトニングの効果は個人によって異なりますが、適切なケアや食事習慣の管理があれば、数ヶ月から1年程度の間は白さを保つことができます。定期的な歯科検診や適切な歯磨きを行うことで、白さをより長く維持することができます。
ホワイトニング後の知覚過敏は個人によって異なりますが、通常は施術後の数日から2週間程度続くことがあります。この期間中は冷たい飲み物や熱い食べ物に敏感になることがあります。知覚過敏が続く場合は、歯科医師に相談し適切な対処法を受けることが重要です。
まとめ
ホワイトニングは健康増進という目的ではなく、審美を目的としています。そのため、治療費は保険適用外で全額自己負担となります。ホワイトニングの危険性などをきちんと理解したうえで施術を受けることが大切です。