歯磨きをする度に血が出るのがお悩みという方がいらっしゃいます。どうすれば出血しない歯磨きができるのか、血が出る理由は何かについてご紹介いたします。
歯磨きで血が出る原因は?
食後に歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスで掃除をした際に、鏡で見ると歯茎から血が出ていたり、歯ブラシの毛先に血がついているという状態は、決して気持ちの良いものではありません。ただ、血が出るという症状は、お口の状態が変化しているサインと捉えてください。
- 歯肉炎・歯周病にかかっている
- ミュータンス菌(むし歯を引き起こす細菌)が大きな穴を開けている
- 歯と歯の間、もしくは歯肉に食べ物が詰まっている
- 歯磨きの方法が悪い・歯ブラシが口腔内に合っていない
- 体調が悪い
- 詰め物・被せ物が合っていない
一般的にはこのような時に、歯磨きで血が出るという状態になることがあります。上記以外では、糖尿病などの病気、生活習慣の乱れ、女性の場合は妊娠やホルモンバランスの変化により、歯磨きで血が出るという可能性もあります。では、順を追って詳しく説明していきます。
歯磨きで血が出る理由
刺激になると出血する箇所のみ歯磨きを止めたり、放置してはいけません。それは逆効果になり、口腔内の環境を悪化させます。ちなみに、ブラッシングにより血が出る理由で最も多いのが歯周病で、次に考えられるのはむし歯です。
歯周病
歯周病という言葉は一般的に広く知られていますが、細菌による感染症です。お口の中には多くの種類の菌がいて、食べ物が入ると歯垢(プラーク)を作ろうと活発化します。歯ぐきからの出血は歯垢により生じます。その他に挙げられる症状として、歯茎の腫れ・歯茎から膿が出る、重度になれば歯周病菌が骨まで進行したことにより、歯がぐらぐらするなどの症状があらわれます。
食後すぐに歯磨きを行えば、歯垢の除去は可能ですが、外出などで歯磨きが行えなければ、お口の中には歯垢が溜まります。歯垢が溜まった状態を放置してしまうと、炎症を起こし腫れてしまいます。歯周ポケットの中に歯石を作り出します。歯石はセルフケアでは除去できません。
虫歯
虫歯の進行により、歯茎の中までミュータンス菌が侵食すると、歯茎から血が出ることがあります。このケースでは、白濁や茶色い点などではなく、大きな穴が開いていて痛みがある段階です。歯茎の中まで進行すると、神経(歯髄)が死んでしまい、神経を抜いたり(抜髄)、歯の中にいる細菌を清掃するための根管治療が必要となります。
出血しないように歯磨きをするためには
歯ブラシには毛先の硬さやサイズや形状等、様々な種類があり、歯や歯茎の状態によって適切なものを選びます。どの歯ブラシが適しているかわからない場合は、柔らかめの毛先の歯ブラシを選択ください。多少の出血がみられる場合でも、きちんとしたオーラルケアを行いましょう。出血の原因であるプラークや細菌が除去されれば、歯茎の炎症は治まります。
歯みがきは、強い力で磨くのではなく、マッサージをするような感覚で行いましょう。毛先を歯と歯茎の境目に当てるなどうまく使用すれば、口腔内の状態は改善することが出来ます。
磨きにくい部分や磨き残しがある場合が多いです。お口の健康を保つために、歯科医院で定期検診を受診し、歯科衛生士のクリーニング、メインテナンスを行ってもらいましょう。
まとめ
歯茎の色が薄いピンク色で歯周ポケットが膨らまずに引き締まっていれば、歯茎は健康な状態です。誤った歯みがきを日常生活で行っていると、歯茎が弱って、虫歯や歯周病のリスクを高めることになります。効果的にケアができているか不安な場合は、お近くの歯医者さんに相談しましょう。